捕らえられた美しい白い鳥は、
船に乗せられ遠い異国の地へと……






 最早戻れぬ故郷を思い
 最早会えぬ愛しい人を思い

 白い鳥は鳴き続ける

 世にも稀なる美しい歌声を
 切なく悲しく響かせる









 翼を切られ、飛べぬ己を知っているのか

 唯只管に空を見つめるその瞳











 涙に濡れた無垢な瞳に映るのは

 遠い過去かそれとも――







 明日をも知れぬ未来か――


その瞳に映るのは
唯愛しい人の面影のみ――


ボークスのクルージング計画よりも一年以上前。
私は既にクルージングを決行していました。
今は亡きお祖母ちゃんの、誕生祝いでした。
まだ妃烏だった頃の、緋月の写真です。
船の中を、緋月を連れて撮影しまくりました。
こういう雰囲気がよく似合うな、と思いながら撮っていましたが。
写真を見ながら何だかしんみりしてしまいました。