緋月を連れて、海にやってきました。
遠い目。
その瞳にうつるのは、誰の面影?
何かを見ているようで、
何も見ていない、そんな瞳。
緋月は確かに此処にいるのに、
心は何処かにいるよう。
人待ち顔。
誰を、待っているの?
此処にはいない、誰かを。
待ち続けているの?
此処にはいないと分かっているのに。
それでも待っているの?



私、緋月は横顔が好きなようです。
遠い目をして彼方を見つめている様が好き。
きっと遠い昔のご主人様を、思い出しているのでしょう。

続きます。